自律判定

GM:では、自律判定に移ります。
GM:最終侵蝕率とロイスの数を申告して、各自振ってください。
皓:最終侵食率130%。ロイス3、Dロイス1、タイタス1、空き1。慎に ■親近感/悔悟 でロイス取得。
皓:……すみません倍振りで! #10d10-130
皓/dice:10d10=(3+8+5+5+9+7+4+3+10+8)=62-130=-68
慎:120%。Dロイス1個。タイタス1個。ロイス5個。ウワァァァなにこの期待値ギリギリ!(何)
慎:すんません、倍振りで!
慎:#10d10-120
GM:かもん。(何
慎/dice:10d10=(1+7+1+7+5+8+1+5+6+5)=46-120=-74
慎:74%生還。
操:最終侵蝕値105%、ロイス5。シナリオロイスをタイタスにして、合計4。
操:素振りで。#4d10-105
操/dice:4d10=(5+5+4+4)=18-105=-87
皓:く。通常で帰って凝れた罠。68%生還でー。
操:87%で帰還。
皓:お帰りなさいですよ。
奏:現在値122  Dロイス1。ロイス4個。空2個。
奏:操と皓に□有為 ■不安で取得。 昇に■連帯感 □悔悟で。こで6個。
奏:通常振りにしておこう。
奏:#6d10-122 
奏/dice:6d10=(2+8+1+10+8+6)=35-122=-87
GM:おお、よかった…!
慎:全員おかえりにゃー。
奏:帰還。87%。
GM:おかえりにゃー
皓:おかえりなさいですよー。
操:全員おかえりなさい。



Ending

Ending1
「nothing answers」
ScenePlayer:草野 操 津嶋 皓

GM:夜が明け。
GM:被害を受けた――“植えられて”いた住民達の回収等々、事後処理が終わったのは、もう日も高くなろうかという頃で。
GM:UGNや民間の有志達が残った雑務を片付けてはいるが。
GM:とりあえず、君たちの仕事…やるべき事は、ひとまず終わったのだった。
操:「――……」街頭の時計に目を遣る。
操:朝食には遅く、昼食にはまだ早い時刻。
皓:遠めに処理を眺め、手持ち無沙汰に。何となく、手を出せずに。
皓:“昔”なら──それこそ言われなくても手伝ったことだろうに。いつから距離が出来たのだろう。
GM:普段は人もまばらな貧民街の通りだが、人が行き交い、今は少し騒々しいほどだ。
操:何もかもが中途半端。微かな苛立ちを覚えながらも支部に連絡を取っていた。
皓:「……こういう処理の様子を見るのも久し振りだな」ぽつ、と、誰に言うでもない言葉。
操:「――以上。これより帰還します」
操:オーヴァー。無線を切り、顔を上げる。
皓:「終わり、か? 副支部長さん?」
操:「ええ。…貴方は帰らなくてもいいんですか?」
操:「各務に帰るんでしょう?」目を逸らして撤収準備を始める。
皓:「立場的に、いい気なご身分でね。いてもいなくても何も言われない」
皓:「──あそこは、“帰る”場所じゃないよ、俺のね」
操:「じゃあ、何処に帰るんですか?」
皓:「……さぁ?」一瞬考え……思いつかない。
操:肩を竦めて深いため息をつく。
皓:「そもそも、帰る場所、なんて思いつかないよ、今はね」
操:「じゃあ、いつになったら?」
皓:言葉に、視線を。いつ、とは。
操:「“今”でないなら、“未来の何時(いつ)”になったら、帰る場所が思いつくんですか?」
操:「もう少し言い方を変えましょうか。貴方は見失っているんですよ、自分自身を」
操:「現在地がわかっていないから行き先も見えてないんです」
皓:「───」ふい、と言葉に視線を逸らし、瓦礫ひとつに腰掛ける。得物を肩に持たれかけさせるように、抱くように。
皓:「──そうかもしれないな。いや……解ってるよ。そんなことは」
皓:「先日もそうだ、君に言われたこと……正しいのは君の言うことだって解ってる、前からね」
操:「その先は――」
皓:「解っていて──」得物を握りしめ、膝に置き。
操:「“彼”を追って行く先に、何を期待しているんですか。彼は虚無。無しかもたらさない」 わかっているでしょう?――と。
皓:「それでも、修正できないこともある。……君も、そんなものを持ってる。だから──ここにいるんだろ?」
皓:「なぁ、操」
皓:「“憧憬”がもたらす最大の目的……って何だか解るか?」
操:「何ですか?」やぶ睨み。
皓:鞘に、柄に手。すらり、と抜きさる。慣れた重み。
皓:「その対象を抜くこと、だよ。……“僕”は多分ずっと、あの人をそう見ている。昔から……そして、今も」
皓:「だからこそ、この場所に居れる。強く在れる。――解ってくれないかな、そういうことをさ」
操:「……Reaching out to catch the sun, To hold it in our hands.」
操:「Longing for something strong to hide our weakness」
操:「僕に修正できないことがあるとすれば、津嶋皓。貴方への苛立ちですよ」
操:「貴方は、強くなりさえすれば求めるモノに手が届く」
皓:「───」ちん、と小さな音を立てて得物を鞘に戻す。
操:「足元なんて顧みなくても…ね」
操:「僕には届かない。これからも、ずっと。まるで今の空のようだ」
皓:「……“僕”は、昔に“太陽”なんていう大層な名前を貰ったよ。誰が初めにそう読んでくれたかなんてもう覚えてない」逆腕に得物を持ち、立ち上がる。
皓:「陽の光は……地上のすべてに届くものだろ。“僕”は……俺なりに君を忘れた事は無い。――届かない光でも、君が遮ろうとね」
皓:それじゃ。と右手を上げ、道を行く。
皓:「またね、操“君”」
操:空を見上げたまま、声を返す。
操:「………さようなら。僕の――“太陽”」

空は今日も曇天。
“太陽”は、見えず。光を望む声も、今は失われて。


Ending2
「約束の代わりに」
ScenePlayer:高坂 慎 美月 奏

GM:事件の夜から数日後。
GM:あの時の沈静化弾の効果で、ジャーム化の兆候があった住民達は元に戻った。
GM:事後処理やらなんやらで君たちも駆り出されたりはしたが、まあ。
GM:これでとりあえず一段落だろう。
GM:そして、肝心の昇はと言うと。
昇:「……ああ。本当にここは変わってないんだねえ。」庭を見てのほほん。
GM:一時体組織はかなりやられていたものの、数日で意識も回復し。
GM:まだ車椅子が必要ではあるが、外を出歩けるようになっていた。
慎:「まー、手入れは奏とか英治とかがマメにしてたみたいだからな」
慎:「(大量のプリンの素を牛乳で解きながら)」(何)
慎:「(どっこらしょとバケツを用意)(ざぱー)」(何)
昇:「そっか…二人も大きくなったんだよね…。」懐旧に目を細め。
慎:「そっちもな」
慎:取り戻した記憶。彼の面影、あの畑を懐かしみながら見る事が今は出来る。
昇:「もう6年か……。…長かったような、そうでもなかったような。」
昇:「君たちは、相変わらずのようで、ちょっと安心したよ。」
GM:先日、そして先程。目にした二人のやりとりを思い出して笑う。
慎:「ははは。まあ、“先生”も安心してられるよーに、とは思ってるからな」よっこいせ。たぷんと揺れるバケツを持ち上げて。
昇:「……安心して、か…。」複雑そうに少し俯く。
昇:「…先生は、怒っているかな。……僕がしたこと。」過去のことか、現在のことかは語らず。
奏:「────ンッ!あとのんちゃんも!」
慎:「なんつーかさ。奏も昇も気に病みすぎだと思うけどな。その辺」ぬん。
奏:がらがらー。通用口の引き戸を開けて。
昇:「でも………。おや。」現れた人物に言葉を切り。
慎:「いいんじゃないか。こうやってまた集まる事が出来───あ、やべ」
奏:「ったく二人とも変わらず人に物言わずふらふらするんじゃないの」まったく、とでも言いたそうに腰に手をやりご立腹。
昇:「慎がどうしても作りたい物があるって言うから。ごめんよ。」緩く笑み。
奏:「んで。──大きなプリンね」がんッと後ろ足で引き戸を閉める。
慎:「え、ちょ、大変だったんだぞこれ!プリンの素はともかくさ、牛乳を大量に手に入れるのとか!」(何)
昇:「どっちもどこから手に入れてきたんだい、一体」(何
奏:「──まぁ。聞かないほうがいいと思うわ」(何)
慎:「外から輸入されたレアなかっぱえびせんとさ、物々交換してくれるって人がなんか居てさ」(何)
昇:「中々奇特な人が居るんだねぇ」のほほん(何
奏:沈痛な面持ちで頭を押さえ。一息ついて。
慎:「“先生”の話を一つ二つした後くれた」よし。バケツを奏に渡す。
慎:「……冷蔵庫、入るかなコレ」(何)
奏:慎の胸倉引っつかんで昇の死角で痛く5〜6発殴ってからバケツを受け取る(何)
慎:「ウ、ウワおぶ、あぶ」ごふんごふん。(何)
昇:「相変わらず仲が良いねえ」のほh(ry
奏:「何の事かしら。のんちゃん」手から煙(何)
慎:ぷしゅー(何)
昇:「それが二人のコミュニケーションだってことは知ってるよ」ハハハ(何
慎:「ハハハハ」(何)
慎:「まあ、こんなこと出来んのもさ、明日──までだし。遣り残しのないように、って」笑って。
奏:「………そだね」ぽすんと勢いが落ちた拳を慎に。
奏:一息ついて。
昇:「…そんなに急がなくても、もう少し準備する時間をくれたらいいのに……とは、言っていられないか。」
奏:「──のんちゃん」
GM:視線で答える。
奏:じっと見て。
慎:明日までに、この街の何もかもを目に記憶に焼き付けようと。二人を微笑みながら見て。
奏:「これは──”わたしの罪”。あなたの痛みは優しさに変えてわたしが空に持って行く」プリンの入ったバケツを持ってない手の掌を見せて。
奏:「だから教えて。あなたは誰と”夜”に行こうとしていたの」
昇:「………。」一瞬、目を伏せ。
昇:「……僕に接触したのは、恐らく末端の人間だろう。だから、深くまでを知ることは無かった。…けれど。」
奏:「うん」
昇:「…『“夜”は、全ての総意として。…古からの、血によって、迎えられる。』」
昇:「……断片的にだけど、そんな声を、聞いたように思う。…曖昧で済まないけれど。」
奏:「…………………ちょっと私には専門外、かな」慎には確認を取らない!(何)
慎:「え、ちょ、一応聞こうよ俺にも!どうせわかんないけどさチクショウ!」(何)
奏:「じゃあ何よ。答えなさいよ──慎!」(何)
慎:「ウワァァァン奏がいじめるよー、昇ー!」(何)
GM:昇はニコニコするだけで答えない!(何
慎:「ウワァァ(ry」
慎:「───まあ、ともかく」こほん。
奏:「ともあれ。計画は未然に防げた、のかな」慎をげしげししつつ。
昇:「未然に、とは行かなかったかも知れないけど…。暫くは、僕もUGNの世話になると思うし。…なにか役に立って、真相が掴めると良いのだけど。」
慎:「そうだな、何かが。動き始めている」しりやーす。蹴られながら。
GM:控えめに笑って、二人を見る。
奏:「うん、そうだね。ああ。そうだ。のんちゃん。ここで暮らしなよ。どうせ部屋余ってるし」遠慮がちな声。
昇:「え……。迷惑じゃ、ないかな。」まだ、素手で人には触れない上、車椅子の身。
奏:「まー。英ちゃんも手伝わせるから」あはは、と笑って。
奏:「──ま、慎は無理だからさ」口調は最後の方は小さく。寂しさを含めて。
慎:「大胆だな奏。まあ、俺も誰かいた方がいいとは、思うんだけど。……うん」
奏:「え。何かあったっけ。慎」きょとん。
昇:「…そう、か。……じゃあ、お言葉に甘えようかな。」去来する寂しげな空気を払うように、努めて明るく。
慎:「いや、お前、自分が女の子だってこと忘れがちじゃね?」おそるおそる。(何)
慎:「うん、──任せた。昇。あと、聞いてないだろうけど勝手に英治」
奏:「……………………あ」今更思い出したように(何)
慎:「……こんな感じだけどさ、無事にお嫁に行くまでほんと頼むな。あと、英治も」昇に(何)
奏:「あ、ほら、とか言っても。以前と同じ感じだし、いやほら他意はないよ?」わたわた。妙な手の動き。
昇:「ああ。慎の頼みじゃ無下に出来ないしね。」
奏:「………何か慎が偉くなった気がするな。慎の癖に」昇の車椅子の背サドルもって慎に突撃(何)
慎:「他意があるとは思ってないから安心しろ、奏。ハハハ大胆だなと感じただけだ」(何)
慎:「──ちょっ、凶器はヨクナイ!」あぶ、紙一重で避けつつ。
奏:ふん!と鼻息荒く一つ。深呼吸。
奏:「とりあえず。UGNの方に連絡つけてくる。あとあんた(慎)の荷物の整理ね。纏めて”駅”の方に送っていくから」
慎:「ああ」
奏:「のんちゃんの事あと宜しく。──じゃ」
奏:怒りのオーラを漂わせつつ去る(何
慎:「──じゃ」こまったよーに笑って見送って。
昇:「……相変わらず。」奏を見送った後。
昇:「…頑固だね、二人とも。……僕もだけれど。」奏が去った方を向いたまま。
慎:「いーんだ、俺達みんな。先生似で頑固、ってことで」ハハハ。そろそろ風も冷えてきた。身体に障るから、と車椅子ごと家の中にと移動させつつ。
慎:「──まあ、戻ってくるよ、いつか。──外に出れるとしても。俺の居場所はここだから」
昇:「ああ…。でも……いいのかい、このまま行って。」
昇:「君たちのことだから、最後までこの調子のつもりなんだろう?」
慎:「心配性だな。──うん、いいんだ。先生が居なくなったって俺達が“生徒”のように。何処に居たって、俺達は俺達で。確かに凄く寂しいけどさ」
慎:「それでも、やっぱり寂しいからこの翼を捨てるとかったら、絶対奏に殺されるからなアレ」
昇:「…そうか。……そうだな。君たちなら、きっと大丈夫、かもね。」穏やかに、呟いて。
慎:「夢を諦めない。希望は直ぐそこで、まもなく現実になる。──まー、それからが長いんだとは思うけど。──俺。今、凄く楽しいよ」
慎:「奏、冷静なように見えて、ほんと仲間思いで心配性だ。その上無茶をする。英治なんかもー、イイ性格してるけどどっか危なっかしい。まあ、その英治を心配してくれるコがさ、いるみたいだから今はいいけど──」
慎:「だからさ、昇。もう一度頼まれてよ、俺に」剣を。何時かの剣を、取り出して。
昇:「……これは…。」慎の顔を見返す。
慎:「まあ、年上ってなだけで全部押し付けるのもなんだし。俺が、昇に頼みごとをする代償は、この“剣”だ。──受け取れ」
慎:「昇に何かあったら。お前はこれに頼るといい。──“先生の遺志”だ」
昇:「………分かったよ。…その代わり、約束だ。……必ず、戻っておいで。この“剣”を、約束に。」そっと、それを受け取って。

「ああ、“約束”だ。“頼んだぞ”。──じゃあ、またな!」
「ああ。――“また”。」しっかりと。

明るく笑って。指きりげんまん。よーしっと、背伸びをして。扉を開けた。
──あの空が見える、扉に。


Ending3
「I See」
ScenePlayer:高坂 慎 美月 奏

GM:黒巣市の外れ。
GM:今ではほぼ物資の流通などにのみ使われるようになった駅に、珍しく客室のある列車が停車していた。
GM:ホームを行き交う作業員は物珍しそうにそれを見ては通り過ぎる。
GM:そんなまばらな雑踏の中、待つ人は僅か。
慎:本日も晴天なり。いい天気に気分が良さそうに、中身の少ないリュックのみを片手に持ち。
奏:「…………」”入場証”を首から提げて。これ自体も本当に希少な物だ。
慎:「えっと、忘れモンはないぞ。多分。昨日奏に言われて10回くらい確認したからな、徹夜で」
奏:「いい?慎。忘れ物は無い?ハンカチとかお金とか持った?もう一度確認するよ。要らない物とか持ってない?」11回目の確認。
英治:「奏ちゃん、朝からそればっかり。」同じく、小さな紙切れを提げ。車椅子を押して。
奏:指突きつけて。ホームで口やかましい事この上ない。
奏:「こいつはよく忘れ物するのよ。依頼人の名前とか連絡先とかね」腕組んで。
慎:「写真も持った、紹介状も持った!ええっとのど飴も持ったし、三人が作ってくれたお弁当も持ったって!」
慎:それは言わない約束でしょという顔(何)
英治:「…慎ちゃん。のど飴って要るの?」きょと。
奏:「こいつ風邪ひいた時はまず喉にくんのよ。英ちゃん」しみじみ。
慎:「ハハハハ」(何)
慎:「んじゃまー、こんなモンかな。──ああ、今日は天気がいい。本当に」天を仰いで。
英治:「本当、晴れて良かったね。珍しいくらい良い天気。」吊られて見上げる空。
奏:「まぁ各務のルートだし。予定なら予定期間には返ってこれるでしょ。本当いい天気」空を見る。
慎:「きっとさ。何処にいってもこの空だけは変わらないし、何処にでも繋がってんだろうな」んしょ。背伸びして。
奏:「──慎」
慎:「──うん?」
奏:「最後の紹介状」古びた手紙を3通。
慎:「…………これ、ひょっとして。え、ちょ、いいのか?」
慎:「お前の──母さんのじゃ」
奏:「そうね」
慎:「昨日貰った、“先生”のが最後だと思って大泣きしたんだけど、俺」
奏:あっさりした口調。手には古びた黒傘。雨も無いのに。
奏:「そうね。知ってる」
奏:これまたあっさりした口調。
奏:「これは”わたしのかあさん”から最後に送られてきた手紙。これをあなたに預けるわ。慎」
奏:ぽんと手の上に。
慎:「──おーけぃ。“解った”よ。預かった、奏」
奏:「後は好きになさい。あなたは翼なのだから。慎」最後の方は優しい声。
慎:「──っと、そろそろ時間だ。あー、うん」
GM:乗務員が、遠くから君たちに声をかける。
奏:くるりと背を向ける。
慎:「いつかの翼。俺はそれに成ったよ、奏。あの空も直ぐに手に入れる。どこにでも繋がっている、空を」
慎:「──でもさ、俺だけじゃない。あんなに空が遠いっていってたお前だって、あの時は“空が今にも手に届きそうだ”といっていた」
奏:ぴたり。足が止まる。
慎:「──だからまあ。俺はきっと何処に言っても頑丈で元気でやってるよ、あの空が在る限りは。──お前は?」
奏:「翼で羽ばたけるのは──」
奏:「”そこに空があるからよ”。──慎」
慎:笑った。古びた手紙を握り締めて、大事そうにしまい。
奏:「ほら今日はいい天気。──だからとても空が高い」
慎:「──うん。高いな。──高いから、行って来るか。どこまでも、ってね」
慎:ばいばい、手を振った。英治と昇に頭を下げて、それから──奏に笑む。
GM:寂しそうに笑い返す英治。昇は静かに、君を見送る。
奏:笑みを浮かべて。慎に向き直る。その手には黄金の粉。
奏:「帰って来なさいよ。空はひとりだと寂しいんだから」
慎:「当たり前だ。家族だろ、俺達は」
奏:背を向けて手を振る。顔を見せないように。2回手を振る。
GM:発車を告げる甲高い音が、晴れた空に響き渡る。
慎:「じゃあまたな。“行って来る”」
奏:「じゃあこういうかな。──”行ってらっしゃい”」
奏:「”またね”」
慎:列車に乗り込む。太陽が眩し過ぎて、列車の影が濃すぎて、表情は見えないけども。確かに笑って。
慎:「──また。元気でな」

慎:それから、再び空を見上げて一つ呟いた。
慎:今この瞬間を。──見ていますか、“先生”


ドアが閉まり、電車が動き出す。“ホーム”が遠ざっていく。
見慣れた街並みを通り過ぎ、“大空”へと滑り出す。


この先、空を往くためには、様々な困難があるだろう。

それでも。

必ず、“翼”はここに戻ってくる。
それは意志。それは、想い。

幾つもの夜を越えた先。

その日はきっと。視える――